tanutanuRecordsチャンネルに「夜明けの海に今はそっと彳む」をアップしました。
3分にも満たない短いピアノの曲ですが、この曲を作るにあたり、作りながら、私が描いたストーリーを紹介しようと思います。
以下、失業した男と対話し彼が語ったストーリーです。
失業した男が最後の仕事を終え彼は遂に"失業した男"になった。
特に感慨深さも特別な感情もなく呆気なく職を失った彼は帰途に着く。
通退勤でいつも通る道。
これまで人気を全く感じたことがないが営業していることだけは何となく分かる喫茶店を通り過ぎる、駅付近のビルの背後にそっとそびえ立つ専門学校の学生たちとすれ違う。
何気ないいつもの光景、テレビコマーシャルのように繰り返す同じような映像みたいなものをこの数年は見ていたのだな。
もうこの道をこの時間歩くことは無いだろうと思いはしたがだからといって特別な感情はこの時は無かった。
借家へ帰りスーパーの値引き弁当と缶ビール
で一人一杯やる。こんなことを何百、何千回と繰り返したのだろうか。
テレビ番組の内容も頭に入ることは無く、映像を追いかけるだけでそれも飽きると寝床につく。
明日になればこの数年間の自分も何処かへ行ってしまうだろう。思い返せばこれまで自分は何をしてきたのだろうかと考えてみると、明日からのことよりも過去のあれこれを振り返ってしまう。
子ども時代、家族のこと、学生時代の切ない思い出、社会人になってからのあれこれ、そんなことを切りがなく思い返していると寝付くこともできず、時計の針も五時付近を廻っていた。
もう夜明けになってしまう。
ふと、よくたまにドライブで行く海にでも行こうかと思い立った。
早朝、日の出の海なんて俺にはロマンティック過ぎると嘲笑う自分を押し殺して、というよりもたまにはどうせ職も無いんだしという気持ちで車へ乗り出した。
少し気持ちが高まっているのを自分自身の中で隠し、あくまでだらし無いオッサン気取りでハンドルを回す。
と今回はここまで。
男の話が長くなってしまったのですが、人生の岐路とか分かれ道を迎えてそこを通り過ぎる時に訪れる平穏で静寂な時間、その時間に何か不思議な魅力を感じておりまして、その草むらを通り抜けてこそ次のステージへスッと渡ることができるのではないかなと思います。
その不思議な時間は人生の岐路のみに訪れるものではなく毎日訪れる夜明けの時間にもあるのではないかなと勝手に思ってます。
そこで昨日のことも全てリセットされ、新しい明日になってゆく。
日々リセットして終わったことに執着せず新しい今を楽しんでゆきたいですね(^ ^)
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日々リセットして終わったことに執着せず新しい今を楽しんでゆきたいですね(^ ^)
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